当研究室について

 近年の異常気象や多発する自然災害を目の当たりにし、世界規模で低炭素社会・循環型社会・スマート社会への移行が始まっています。そのようなパラダイムシフトを実現するためには、わたしたちの生活を支える科学技術の革新が必要です。これは、既存の要素技術の高度化を進めると同時に、あらたな技術や原理の開拓を進める必要があることを意味します。われわれ大学等の基礎研究機関に期待されていることの一つは、数十年後の先端技術に繋がるような萌芽的研究・基礎的研究を、根気強く進めてゆくことなのではないでしょうか。
 富山県立大学工学部・先進電材料研究室は、2023年10月に本学に着任した清水と、同じく10月に配属された3人の第一期生の、計4人でスタートした研究室です。「薄膜やナノ構造体などの電子物性の評価」、「電界効果デバイスの作製」、「物性測定技術の開発」の3つを軸に、革新的新電子機能の開拓を進めていきます。とくに、エネルギー変換、センサ機能、省エネルギー技術に繋がりうる基礎物性研究を行うことで、より良い未来、安心して暮らせる豊かな社会の実現に貢献することを目指しています。
 わたしたちのグループは、少人数ながらも一歩一歩着実に研究を前進させ、国内外の研究グループと連携しながら、科学技術の発展の一端を担ってゆきたいと考えています。また同時に、電子工学、材料科学、物理、化学、という幅広い学問領域を基盤とした研究活動を通して、自ら問題設定・問題解決に取り組むことができる、未来を担う技術者や研究者の育成を行います。その結果として、ここ富山県や北陸地区に人材を輩出し、地域産業の発展に貢献いたします。
 近隣の大学や高専、研究所や企業のみなさま、当研究室と何か一緒に研究ができそうというアイデアなどありましたら、いつでもご連絡いただければと思います。

 富山県立大学工学部には、シミュレーションや計算など理論的な側面から研究を行うグループと、手を動かし実験を行う研究室があります。本研究室は後者の実験系研究室で、薄膜などの電子材料の物性測定や電界効果トランジスタの作製を行います。学部の授業で学んだ、半導体、電子物性、量子力学、電子回路など、電気電子工学の中でも基盤的な科目を、実際に手を動かすことでしっかりと理解し身につけることができると思います。また、授業で学んだ知識の定着にとどまらず、学内外の研究成果発表を通して、議論する力や説明する力を身につけてほしいと思います。
 研究室生活は、研究だけでなく、どのように共同生活を進めて行くのかを学ぶ機会であるとも考えています。年齢や出身地などバックグラウンドの異なるメンバーと、助け合いながら、そしてお互いを尊重しながら、各々の役割に責任を持ち高めあってゆける、そんな場所であるべきだと思います。
 本研究室は、配属時の学力や知識は問いません。在籍するメンバーが、研究に必要なことは教えてくれます。配属を検討してくれている学生のみなさまに期待しているのは、「卒業する日まで、この研究室のメンバーと協力して頑張っていこう」と自信を持って宣言できること、それだけです。みなさまをお迎えできる日を、研究室一同、とても楽しみにお待ちしております。
 研究室での研究や生活について話を聞きたいという場合には、在籍するメンバーにお気軽にお尋ねいただければと思います。先進電材料研究室の扉は常に開かれています。

4月花見研究テーマの検討(B4)
5月ハイキング
6月
7月BBQ大学院入試および合格発表(筆記試験免除者)
8月大学院入試(一般選抜)
9月大学院入試合格発表(一般選抜)応用物理学会
10月新歓研究室仮配属(B3)
11月卒研中間発表(B4、ポスター発表)
12月忘年会修論中間発表(M1、口頭発表)応用物理学会北陸・信越支部日本物理学会北陸支部
1月
2月卒業・修士論文発表と論文提出(B4, M2)
3月追いコン卒業式応用物理学会APSDPG
  • 実験以外の研究室の活動として、進捗報告会、輪講、ティータイムミーティングなどがそれぞれ週一回程度あります。希望があれば、配属前の学生さんも参加可能です。
  • 研究室、特に修士課程へ進むと、英語の論文等を自主的に読む必要に迫られますが、苦しいこともあるかと思います(私もとても苦しい思いをしました)。今後、研究室の人数が増えたら(希望者がいた場合)、有志による英語リーディングの勉強会(辞書無しで英語の小説を読めることを目指す)を開催したいと思いますま。
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